技術解説2022.12.26

技術ノート|ブラスト面の浅いキズはなぜ難しい?カメラが鮮明になるほど誤判定が増えることも

ヒートスプレッダの表面はサンドブラスト仕上げ。解像度を50 μmから34.5 μmに上げると画像は鮮明になりますが、ブラストの模様も目立ちます。2021〜2022年の5回のテストから、照明・カメラ・判定のトレードオフを整理しました。

技術ノート|ブラスト面の浅いキズはなぜ難しい?カメラが鮮明になるほど誤判定が増えることも

ヒートスプレッダは放熱モジュールの重要部品で、表面はサンドブラスト処理されています。お客様が検査したいのはキズ、擦れ、打痕、ブラスト不良で、特に難しいのが「光るキズ」と「浅いキズ」でした。5回にわたるテストで得た知見をまとめます。

照明の角度で見えるものが変わる

  • 銅露出:高角度・低角度のリング照明どちらでも強調できる
  • キズ:初期テストでは低角度照明でのみ強調できた
  • ブラスト不良・光るキズ・光る擦れ:高角度リング照明で強調できるが、ホコリや汚れも目立つ
  • 打痕とキズ:ドーム照明に変えると大半を検出、四隅の打痕も捉えられた

解像度を上げる副作用

500万画素(約50 μm)から1,200万画素モノクロカメラ(34.5 μm)に変えると、欠陥は確かに鮮明になりましたが、ブラスト面の模様も鮮明になり、かえって誤判定が起きやすくなりました。解像度は表面テクスチャと合わせて考える必要があります。

カラーカメラの隠れた利点

カラーカメラはRGBの3つのチャンネルから選べ、同じ欠陥でもチャンネルによってコントラストが異なります。今回のサンプルではGチャンネルの画像が最も欠陥をよく示しました。

データと限界

  • 現地デモで検出した欠陥は約7〜23画素、約0.35〜1.15 mm
  • 最小検出能力:色差が明確な場合約0.15 mm以上、不明確な場合約0.25 mm以上
  • 浅いキズは輝度差が小さく誤判定が残る。視野が広いと外乱光の影響を受けるため遮光カバーが必要
  • テクスチャ比較による均一性検査は1個約130ミリ秒で不均一な領域を検出できたが、安定性の確認にはさらにサンプルが必要

まとめ

ブラスト面の検査に万能の照明はありません。まず複数の照明とカメラでサンプルを検証し、欠陥の種類ごとに最適条件を見つけてから、1ステーション多照明にするか分割するかを決めることで、量産後の誤判定を防げます。

辰祥光学自動化 技術コラム